イギリス・ヨークの街角に眠る500年の記憶。不思議な名前の通りが辿った数奇な運命
イギリスの歴史ある都市ヨークには、観光客が思わず足を止めてしまうほど個性的な名前の通りがいくつも存在します。その中でも、ヨークの観光中心地である「シャンブルズ」のすぐ近く、パーラメント・ストリートの間にひっそりと佇む「ジュバーゲート」には、数百年の歳月を刻んだ深い歴史が眠っています。
この通りは、かつてはバイキングの言葉で「ケルト系イギリス人が住む街」を意味する「ブレットゲート」と呼ばれていました。それが中世を経て、14世紀頃には「ジュブレットガット」へと変化。時代と共に名称が少しずつ形を変え、現在の「ジュバーゲート」という愛称に落ち着いたのです。道の端にそびえる木造の古い建物「4 ジュバーゲート」は、14世紀にタウンハウスとして建てられた当時からの姿を残しています。17世紀に増築されたこの建物は、現代のヨークにおいて、時代の移り変わりを見守ってきた貴重な証人といえるでしょう。 時代が進むにつれ、この建物はカフェや飲食店として幾度となく役割を変えてきました。かつては馬車が行き交う賑やかな拠点であり、その後は親しまれたカフェとして、さらにはヨーク名物のヨークシャー・プディングを提供する店として、地元の食卓を支えてきました。現在は人気レストラン「ガート&ヘンリーズ」として営業しており、重厚な梁のある天井や曲がりくねった階段が当時の面影を色濃く伝えています。急速に近代化が進む都市の中で、この小さな角地は、中世からの記憶を途切れさせることなく、今も人々の賑わいの中に息づいています。










