クマたちの「第二の人生」を支える。アルメニアの保護施設で奮闘する女性の日常

アルメニアのアララト地方にあるウルツァゾル山地。この地に広がる「野生生物保護センター」には、かつて人間によって檻に閉じ込められ、心身に深い傷を負ったヒグマたちが暮らしています。この施設で保護プログラムのコーディネーターを務めるナリネ・ピロヤンさんは、クマたちにとっての「保護者」です。

写真の通り、ナリネさんは朝7時に起床し、制服を着てクマたちの観察に向かいます。施設では、保護されたクマが本来の野生を取り戻せるよう、飼育担当者とともに工夫を凝らしたケアが行われています。食べ物を隠して探させる「宝探しゲーム」や、山林の匂いを再現したアロマの使用など、野生の本能を刺激する環境作りが日課です。かつて愛玩目的で劣悪な環境に置かれていたクマたちが、仲間と共に水浴びをしたり、季節ごとの食事を楽しんだりする姿を見ることが、ナリネさんの何よりの喜びです。 「自由こそが愛である」と語るナリネさん。彼女の願いは、保護されたクマたちがいつか人間を必要としない野生の姿に戻ることです。特に幼いクマたちは、将来の野生復帰を目指して人と接触しないよう厳格に管理されています。一方で、一度人間によって飼いならされ、野生の術を忘れてしまった成獣たちは、この施設が一生の終の棲家となります。彼女は今日も、クマたちの愛らしい個性に触れながら、人間と野生生物のより良い関係を信じて活動を続けています。










