「今日は傘が必要?」ベトナム・ホーチミンの雨を読み解く、オーストラリア人エンジニアの挑戦

ベトナムの都市ホーチミンでは、雨季ともなれば日常的に激しい驟雨に見舞われます。この予測困難な降雨に対し、SNSを通じて独自の予報を発信し、多くの住民から信頼を集めている人物がいます。オーストラリア出身のデル・エルソンさんです。

数学者としてのバックグラウンドを持ち、現在はソフトウェアエンジニアとして働くエルソンさんは、自身の趣味であったセーリングを通じて気象予測の重要性を学びました。海上での生活において、風速や雨の予報を正確に把握することは安全を確保する上で欠かせないスキルだったのです。やがて結婚を機にホーチミンへ移住すると、彼は持ち前のデータ分析能力を駆使して、市内における詳細な雨雲の動きや降水確率を予測し始めました。 彼が運営する「Saigon Weather」は、市販の天気アプリではカバーしきれない地域ごとの細かい気象情報を、英語圏の住民や地元の天体観測グループ、クリケットクラブなどに提供しています。エルソンさんは複雑な気象モデルを統合し、日々SNSで公開しています。

特に彼が力を入れているのが「情報の真偽」です。ネット上に流れる「熱帯低気圧がホーチミンを直撃する」といったデマに対し、地形的な安全帯の存在を根拠に冷静に反論を行うなど、誤った情報が拡散される現状に警鐘を鳴らしています。 「洗濯物が濡れないか、傘を持つべきか」という住民の切実な疑問に答えることこそが、彼の活動の原点です。










