「命を運ぶ袋」の物語:伝統工芸ノケンを守り抜く博士の挑戦

ニュージーランドのオークランド大学で、パプア州ムユ族出身のヴェロニカ・カネムさんが博士号を取得しました。彼女が研究対象としたのは、ムユ族に古くから伝わる手編みの網袋「ノケン」です。

ノケンは単なる日用品ではなく、食材や本、ときには赤ちゃんを運ぶためにも使われ、ムユ族のアイデンティティや絆を象徴する大切な存在です。カネムさんは、この伝統的な網袋の製作技術が、世代を超えた知識の継承やコミュニティの精神的な繋がりをどう支えているかを調査しました。しかし、近年の環境破壊や森林伐採は、ノケン作りに欠かせない自然素材の採取を困難にしています。彼女は研究の過程で、ノケンが編まれる際の「参加・対話・相互交流」のプロセスに基づいた、独自の調査手法を確立しました。この成果を収めた展示会は、現在ニュージーランド国内を巡回しており、伝統文化の存続には、その基盤となる自然環境の保護が不可欠であることを広く伝えています。










