次世代へ紡ぐ「氷海の知恵」。アラスカで少女たちが挑んだ伝統織物プロジェクト

アメリカ・アラスカ州ジュノーにある観光施設「ゴールドベルト・トラム」で、先住民族の伝統文化を未来へつなぐ心温まるプロジェクトが完結を迎えました。それは、北米西海岸の先住民に伝わる極めて高度な技法「チリカット織り」によるローブ(儀式用の外套)の制作です。

このプロジェクトを主導したのは、熟練の織り手であるドネディン・ジャクソンさんとレイ・ミルズさん。二人はおよそ2年もの歳月をかけて、この繊細な織物を完成させました。 特筆すべきは、この制作過程に携わった二人の少女の存在です。マリオン・カーマンさんの孫にあたるイザベラ・ロスさんとパトリシア・デニスさんは、この夏を通じてプロの指導を受けながら、仕上げ作業をサポートしました。彼女たちは、チリカット織りに触れた史上最年少の存在となり、伝統の継承者としてその第一歩を大きく踏み出しました。

カーマンさんは「孫たちが織り手の方々と出会い、彼女たちの丁寧な所作に触れることで、一生続く絆が芽生えました」と語り、喜びのあまり涙を流したといいます。ローブが織機から切り離される際には、先住民の歓迎の歌が響き渡り、会場に集まった約60人の証人たちが伝統の継承という貴重な瞬間を見届けました。










