「父」と呼ばれ35年。インドの施設で障害を持つ子どもたちと築いた大家族の絆

インドのマハーラーシュトラ州アムラヴァティ近郊の村、ワザール。荒れ地だった25エーカーの土地に、123人の子どもたちと暮らす「大きな家族」があります。この施設を35年以上にわたって運営しているのは、シャンカルババ・パパルカル氏です。

パパルカル氏がこの活動を始めたのは1990年のことでした。当時、障害を持つ子どもたちが過酷な環境に置かれている現状を知り、救済を決意。以降、親と離れざるを得なかった子どもたちを次々と受け入れてきました。特筆すべきは、彼が身分証であるアドハーカードの「父」の欄に、自身の名前を刻み込んだことです。血縁を超え、子どもたちにとっての真の父親となることを選んだのです。 施設で暮らす子どもたちは、それぞれの能力に合わせて役割を担っています。特に知的障害を持つ子どもたちには植物の世話を任せており、彼らが根気強く水やりを続けた結果、かつての荒れ地には今や約1万5000本の木々が茂る緑豊かな場所へと変わりました。自立を重んじるパパルカル氏の指導のもと、これまでに多くの若者が社会へと羽ばたいており、公務員として働く者や結婚して家庭を築く者も出ています。2025年には、重度の視覚障害を持ちながらも、彼に育てられた娘の一人が公務員試験に合格するという快挙も成し遂げました。2024年にパドマ・シュリ勲章を授与された際も、彼はその栄誉を自分自身ではなく、共に支え合ってきた子どもたちへ捧げました。










