創業80年、イギリス最古のパンジャブ料理店が守り続ける「故郷の味」の物語

イギリスのロンドン中心部、コヴェント・ガーデンに店を構える「パンジャブ・レストラン(Punjab Restaurant)」は、英国で最も歴史が古い北インド料理店として知られています。この店の物語は、1936年にインドから渡英したグルバチャン・シン・マーン氏の挑戦から始まりました。

当時のロンドンで、移民が定職に就くことは困難でした。グルバチャン氏はトランクひとつで日用品の行商を行い、10年もの歳月をかけて資金を貯め、1946年にようやく念願の小さな店をオープンしました。彼が目指したのは、故郷を離れて暮らすインド人コミュニティの仲間たちが、懐かしい料理を囲んでくつろげる「第二の家」のような場所を作ることでした。 現在、店は創業者のひ孫にあたるアムリット氏が経営し、4世代にわたって伝統を守り続けています。1970年代には近隣の再開発計画による立ち退きの危機に直面しましたが、地元の仲間たちと協力して店を守り抜きました。また、コロナ禍のパンデミック期間中には、店をコミュニティ・キッチンとして開放し、支援が必要な人々に20万食以上の食事を無償で提供しました。創業以来、「他者を助けることで我々も高められる」という「セヴァ(無私の奉仕)」の精神を大切にしてきたこのレストランは、今も変わらずロンドンの街角で多くの人々の胃袋と心を満たし続けています。










