兵士からDJ、そして俳優へ:インドの男性がたどった「七転び八起き」の人生

インドの人気ドラマシリーズ『ミールザープル』でバールミキ役を演じ、注目を集めているアザール・クレシ氏。彼の歩んできた道のりは、映画以上にドラマチックなものでした。 アザール氏の人生は14歳の時、亡き父の遺志を継ぐ形で政府の特別武装部隊に入隊したことから始まりました。若くして社会に出た彼は、当初は雑用などの下積みを経験。厳しい環境の中で規律と忍耐を学び、後に現場で不審者を捕まえるといった経験を通じて大きな自信を得ました。しかし、10年近く務めた安定した職を「自分の本当にやりたいこと」を追求するために辞めるという、大きな決断を下します。 そこからの道のりは平坦ではありませんでした。イベント管理、DJ、タトゥー彫り師、銀行の債権回収など、数え切れないほどの職を転々としました。「時には報酬が支払われず、全てを失うようなビジネスもあった」と彼は当時を振り返ります。それでも周囲の人々からは変わらぬ敬意を集め、持ち前の観察眼と「何度もやり直す」タフな精神で困難を乗り越えていきました。 転機は2006年、知人の勧めで俳優の道を意識したことでした。最初は「個性はあるが演技力がない」と厳しい評価を受けましたが、地元の芸術センターである婆裸多・バワンで舞台芸術に触れ、演技の基礎を独学で吸収していきました。その後、長年キャスティング・コーディネーターとして映画制作の裏方を支え続け、2022年にようやく掴んだチャンスが、彼を俳優として大成させることになったのです。

かつての上司や同僚も驚くほどの転身を果たしたアザール氏ですが、昔からの友人によれば「どんなに有名になっても、彼の人柄や誠実さは少しも変わっていない」といいます。多くの計画が崩れ去っても、その都度自分自身を更新し続けた彼の物語は、今、多くの人々に勇気を与えています。
編集部より
演者さんは日本も海外も精神力がすごい方が多いのでしょうか










