スズメが戻ってくる学校へ。インドのエンジニアが取り組む「鳥と共生するキャンパス」プロジェクト

都市化の進展により、街角で馴染みの姿を見せていたスズメたちの減少が懸念されています。インドのタミル・ナードゥ州出身でエンジニアとして活躍するガネーシャン氏は、失われゆくスズメの住処を取り戻すべく、学校のキャンパスを舞台にした環境保全活動に力を入れています。

ガネーシャン氏が代表を務める「クードゥガル・トラスト」は、これまでに80校以上の教育機関と連携し、生徒たちと共に1万5千個以上の巣箱を製作してきました。しかし、彼が最も重要視しているのは、単に巣箱を設置することではありません。生徒たちに「鳥が生きるために何が必要か」という視点を持たせることです。 活動の開始にあたって、彼は「まずは校庭を観察すること」を推奨しています。樹木や水場、餌となる昆虫の有無など、スズメが暮らす環境が現在のキャンパスで十分に整っているかを生徒たちが自ら調査し、何が足りないかを話し合います。チェンナイの学校で実施されたプロジェクトでは、こうした地道な環境整備の結果、一年後にはスズメの活動が目に見えて活発になったといいます。

「自然に不必要な人間の介入は必要ありません」と語るガネーシャン氏。彼の取り組みは、子どもたちにとって単なる生き物への関心を超え、自分たちが暮らす環境を保護する責任を学ぶ「生きた授業」となっています。今後はAIを活用した観察システムの開発など、技術を活かしたさらなる保全研究も視野に入れています。











