海から生まれたファッション:エジプトの港町で漁業と伝統が織りなす再生の物語

エジプトの地中海沿岸に位置するポートサイドは、古くから漁業とファッション産業という、一見対照的な二つの世界が共存する街として知られています。しかし今、この街の伝統的な二つの生業が、気候変動という大きな波に直面し、新たな形で結びついています。

このユニークな取り組みを主導しているのは、漁師とファッションデザイナーという二つの家系を持つモーメン・ソブ氏です。彼が設立した社会的企業「ヴィセンリア(Visenleer)」は、地中海に捨てられた廃棄物に着目。本来なら海を汚すだけの漁具などを再利用し、持続可能なテキスタイルへと生まれ変わらせることに成功しました。

同氏の作るバッグや小物は、地元の漁師たちがかつて海で使っていた素材の質感を巧みに活かしており、ポートサイドという土地の魂が宿るデザインとして注目を集めています。

気候変動により海と街の産業がともに変容を迫られる中、その課題を逆手に取り、かつてない価値を創り出そうとする彼の挑戦は、この街の新しい物語を紡ぎ始めています。














