紅茶畑を横切る巨体の旅路。インドで進む「ゾウに優しい」フェンス撤去作戦

インド北ベンガル州のドゥアール地域では、広大な紅茶畑が野生のゾウたちの通り道となってきました。かつて農園側は、労働者や作物を守るために鋭利な刃のついた「カミソリフェンス」を設置していましたが、これがゾウの移動を阻むだけでなく、命に関わる大怪我を負わせる深刻な問題となっていました。

事態を重く見たインド野生生物研究所(WTI)などの保護団体は、2019年から地元の茶園経営者や政府機関と対話を重ね、ゾウの通り道を確保するための「ゾウに優しい茶園憲章」を推進してきました。その結果、2019年には約134.7kmに及んでいたカミソリフェンスが、2026年には34.8kmまで、実に約74%もの減少を見せました。 現在、保護活動の焦点はフェンスから「頭上の危険」へと移っています。低く垂れ下がった電線もゾウにとって致命的なリスクとなるため、今後は関係各所が連携し、より安全な共生環境を目指す取り組みが続いています。














