保守的な村で始まった「女性だけの搾油所」―インドの主婦たちが勝ち取った自立の道

インド北部、ウッタル・プラデーシュ州のマトゥラー近郊にあるフッセイニ村。かつてこの村では、女性が家事や農作業以外で外出し、仕事に従事することは難しいこととされていました。そんな保守的な環境の中で、一人の女性が「自分自身の力で稼ぎたい」と立ち上がったことが、村の風景を大きく変えるきっかけとなりました。 2023年、地元の支援団体の協力を得て、村の女性たちによる「マスタードオイル(菜種油)製造事業」がスタートしました。当初、村の長老たちは「女性には無理だ」と反対し、男性に事業を任せるよう提案したといいます。しかし、中心メンバーとなったアンチャルさんとプリーティさんは、家族を粘り強く説得。周囲の懸念を払拭するため、家事を完璧にこなした上で搾油所へ通うという生活を始めました。

搾油所の機械を操作することすら最初は怖がっていた彼女たちですが、専門家からの技術トレーニングを経て、今では種子の選別から精製、瓶詰め、帳簿管理まで、全ての工程を5人の女性チームで完璧にこなしています。

彼女たちが作るマスタードオイルは評判を呼び、今や近隣の村だけでなく、近郊の都市へも出荷されるほどのブランドとなりました。経済的な自立を手に入れたことで、彼女たちは子どもたちの医療費や教育費を自力で賄えるようになり、村の中での立場も大きく向上しました。今日も彼女たちは、自分たちで決断を下しながら、一歩ずつ確かな未来を切り拓いています。














