洪水は災いから恵みへ。インド・アッサム州の農家が挑んだ「水田養殖」の逆転劇

インド東部アッサム州のスリブミ地区にあるアレカルグル村では、毎年訪れるモンスーンによる洪水が農家を長年苦しめてきました。雨季になると川が氾濫し、家族の命綱である水田は数ヶ月もの間、濁った水の下に沈んでしまうからです。多くの農家は収穫を諦め、借金を抱える負の連鎖に陥っていました。 この状況を変えたのが、地元出身のナズルル・ハケさんです。彼は洪水で沈む土地を「失われる農地」ではなく「養殖に適した池」と捉え直しました。2000年に卒業後、安定した公務員の道を選ばず魚の養殖に賭けた彼は、独自の飼育技術を確立しました。

彼はただ洪水で流れてくる魚を待つのではなく、計画的に種苗を選別し、酸素供給や水質管理、有機的な飼料を用いた科学的な養殖手法を導入しました。その結果、従来の捕獲漁法に比べて10倍以上の収穫を上げることに成功。現在では約100ヘクタールの養殖場を運営し、地域の雇用の受け皿となっています。 さらにナズルルさんは、このノウハウを周囲の住民たちにも共有しました。彼に触発された村人たちは、浸水した田んぼを次々と養殖池へと転換。かつては絶望の象徴だった洪水が、今や村の大きな収入源へと変わりました。ある農家は「3ヶ月で約10万ルピーを稼ぐことができた」と語るほどです。今やこの村は「SBI水産村」として公的に認定されるまでになり、洪水と共存する新しい農業の形として、州全体にその取り組みが広がっています。
編集部より
環境を活用してしまう発想力、実行力に憧れる…!














